日本の奨学金の現状

日本においては文部科学省所管の特殊法人である「日本育英会」が主体となって奨学金事業を行っており、民間団体や地方自治体が独自に行う奨学金事業を含めて総額約1.3兆円ほどです。これは単純比較でアメリカの8分の1ほどの事業規模となっています。また上記の奨学金は高校生で全学生の約2.5%、大学生で約16.5%、全体で約8.9%の割合で給付されており、これはアメリカの約7分の1、オーストラリアの約11分の1であり、先進国中間違いなく最低の水準です。

また量的な面だけではなく質的な面からも見てみると、学生生活費(学費と生活費の合計)の平均は、国立大学で約154万円かかるのに対し、それに対する育英会の貸与は54万円に過ぎません。これは学生生活費のわずか3分の1程度であり、さらに私立大学においては同207万円の学生生活費に対し、わずか67万円の貸与額(約32%)に落ち込みます。大学全体の平均をとってみても、前者が約194万円かかるのに対し、後者の貸与額はわずか約61万円(約31%)に過ぎません。これでは生活費どころか学費すら満足に賄うことができず、学生は在学中もアルバイトに明け暮れるか、もしくは就学以前の段階で進学をあきらめてしまうかのどちらかを選択する以外は難しい状況です。後者の仮説を裏付けるものとして「家計調査報告」より、所得別に5つに分類した最も低所得なグループと最も高所得なグループの比較を行ってみると、可処分所得に占める教育費の割合にして高所得者層は低所得者層の約2.5倍強、実数にして約6倍ものお金を拠出しているというデータが得られました。このことより低所得者層出身者の相当数が経済的な理由により自身の望む教育を受けることが出来ずに、半ば強制的に社会参加を迫られているという実態が浮かび上がってきます。これは大変に由々しき問題であり、早急に奨学金の量および質を改善することが求められていると思います。

SCHOLではこの課題解決のために事業を展開してまいります。